時事問題で英会話レッスン。「働き方改革」編

Work System Reform

ネットやテレビのニュースでも頻繁に見聞きするようになった「働き方改革」。
そもそも「働き方改革」とはどのようなものなのか、日本語でも自信を持って説明できない、という人も少なくないと思います。
なぜ、今「働き方改革」なのか。
「働き方改革関連法」について。
などなど、旬な語彙を覚えて英会話力アップ!
自分の働き方に対する意見についても英会話スクールで語れると、目立つこと間違いなしです。

そもそも働き方改革とは?英会話で語るには基本を理解するところから

Work System Reforms(働き方改革)
「一億総活躍社会を実現するための改革」。
日本政府が最重要政策として大きく掲げている「働き方改革」は、日本の労働を取り巻く環境が改善されることで、生活の質や日本の未来を変えようというものです。

a declining birthrate and an aging population(少子高齢化)
現在の日本が直面している最も大きな問題の一つであり、働き方改革の必要性が叫ばれる背景でもある、深刻な労働力不足の原因とも考えられています。

total population(総人口)
現在の人工増加減少率のままでは、日本の総人口は50年後には9000万人を下回り、working population(労働力人口)はそれに伴いピーク時の半分以下にまで下がると試算されています。
労働力が不足することで、年金や医療などのsocial security system(社会保障制度)の維持が難しくなるだけでなく、日本経済全体の縮小を引き起こすことになります。

労働力不足解消のポイント3つ

労働力不足を解消するためにポイントとされているのが、下記の3つです。

Redress long working hours(長時間労働の解消)
日本企業の悪しき習慣ともいわれる、長時間労働の習慣を解消することで、男性が子育てに参加しやすい環境を作ります。
親のどちらかが子育てを一人で行う「ワンオペ」などの問題が改善されると、出生率上昇も期待できるのではないかと言われています。

Engaging women and elderly in work(高齢者や女性の就労促進)
在宅勤務、時短勤務、フレックスタイムなど、多様な働き方を認めることで、女性や高齢者など、その才能と労働力が活用されない状態の優秀な人材が活躍できる社会が生まれます。

Redress disparities(格差の是正)
permanent staff(正社員)とnon-permanent staff(非正規社員)の待遇格差の解消がメインテーマです。
雇用形態の違いではなく、個々の労働者のパフォーマンスに応じた評価への変更を行うことで、子育てや介護で長時間働くことができない女性や、高齢者の能力を最大限に活用することを目的にしています。

英会話で「働き方改革関連法」を語るために

A work style reform law(働き方改革関連法)
「働き方」を意味する、workstylework styleworking styleという言葉は、英米のメディアや学術論文では使われてきましたが、イギリスのOxford DictionaryやアメリカのWebsterのような一般的な辞書には載っていません。主要ネット辞書にも見当たらない、比較的新しい言葉と言えるでしょう。

日本の公的文書では「働き方改革」の英訳として、workstyle reformsが使われていますが、英会話スクールで使ってみて、相手の反応が「???」という感じであれば、「働き方改革」にあたる古くからある英語、labor reform(労働改革)をかわりに使ってみて下さい。
同様に、A work style reform law(働き方改革関連法)も日本国内の英字メディアは一律で使っていますが、日本滞在がそれほど長くない「働き改革関連法」は、labor reform law(労働改革法)と訳した方が、英語圏の人々にストレートに理解されます。

「働き方改革関連法」とは、どんな法案なのでしょう?
英会話で「具体的な制度は?」と聞かれても返答できるよう、いくつか抜粋して紹介します。

Monthly overtime limit(労働時間の上限規制)
これまで時間外労働(overtime work)の上限に規制がなく、過労死(karoshi)や過労自殺(suicide from overwork)が問題になってきましたが、やっと明確な上限が設けられました。

Interval regulations(インターバル規制)の努力義務
終業時刻から翌日の始業時刻まで、employee(被雇用者)が一定時間の休息をとれるよう、employer(雇用主)に休憩時間の設定努力義務が課せられるようになりました。

five compulsory paid holidays(有給休暇の5日義務化)
10日以上のAnnual paid leave(年次有給休暇)が付与されている被雇用者に対して、雇用主は5日の有給休暇を1年以内に取得させなければならないという義務が課せられました。

英会話スクールですぐに使える「働き方改革」に関する英語の例文

【例文1】
Considering the declining working population, it’s important to promote work style reform.
(労働人口が減少していることを考えると、働き方改革を進めることは大切です)
キーワード:
working population(労働人口)
consider (〜を考慮する)
the declining working population (労働人口の減少)

【例文2】
I am supportive of the work system reform.
(私は働き方改革を支持します)
キーワード:
reform(改革)
be supportive of〜(〜を支持する)

【例文3】
Many people suicide because of the long working hours in Japan.
(日本では多くの人が長時間労働の末、自殺しています。)
キーワード:
suicide(自殺)
long working hours (長時間労働)

【例文4】
When the government encourages companies to shorten the working hours, it will also cause the companies to hire more people, or to invest in its facilities.
(政府が企業に労働時間を短縮させれば、企業は雇用を増やしたり、設備投資することとなります)
キーワード:
to shorten the working hours(労働時間を短縮する)

【例文5】
The Government should re-examine the work culture in Japan so that people can have more of a work/life balance.
(国民がより良いワークライフバランスを持てるように、政府は日本人の働き方について再考すべきです)
キーワード:
to re-examine (再考する)
work/life balance(ワークライフバランス)

【例文6】
Although the annual total hours actually worked in Japan has been steadily decreasing, the level of non-scheduled working hours has remained high and the rate of paid days off taken has not increased.
(日本の年間総実労働時間は着実に減少してきている一方で、所定外労働時間の水準は高く、年次有給休暇の取得率は上昇していません)
キーワード:
the annual total hours actually worked in Japan(日本の年間総実労働時間)
non-scheduled working hours(所定外労働時間)

【例文7】
Career opportunities, flex-time, satellite offices, and more childcare facilities are required to make women at home join the work force.
(多くの女性に労働力となってもらうためには、生涯の仕事の機会を増やし、フレックスタイム、サテライトオフィス、託児所の充実などが必要です)
キーワード:
flex-time(フレックスタイム)
satellite offices(サテライトオフィス)
childcare facilities(託児所)

【例文8】
It is essential to redress the custom of working long working hours, and to cultivate a work environment which allows a diversity of working styles, based on the principle of “equal pay for equal work”.
(長時間労働の習慣を排除し「同一労働同一賃金」の原則の下で、多様な働き方を認める職場環境を作ることが大切です)
キーワード:
a diversity of working styles(働き方の多様性)
equal pay for equal work(同一労働同一賃金)