時事問題で英会話レッスン。「アメリカ大統領選挙」編

U.S. presidential election

アメリカ合衆国大統領選挙は、世界の景気や国際関係への影響が大きいこともあり、アメリカ以外の国でも注目される時事問題であり、選挙の時期には世界のメディアで報じられる時事英語です。
英会話スクールの講師たちはアメリカ人ばかりではないと思いますが、それぞれの国の立場からアメリカ大統領選のニュースを見守っている人も多いはず。
日本とは違う選挙システムも、語彙が豊富になることで理解しやすくなり、英会話スキルがアップします!

英会話は語彙が要(かなめ)!まずは基本のボキャブラリーから

アメリカの大統領選挙は、日本のそれとは異なる部分も多く、独特な選挙制度が存在します。
そうした制度を理解して、英会話スクールで語れるようになるために、選挙に関連する基本的なボキャブラリーを身に付けましょう。

voter(有権者)
18歳以上の米国籍者のこと。有権者登録されている有権者はregistered voterと呼ばれます。

candidate(候補者)
「候補者 ・志願者」という意味で、選挙に限らず広汎に使われます。
candidate for ~ で 「~の候補者」 という意味です。
大統領選挙においては、
presidential candidate(大統領候補)
a candidate for president(大統領の候補者)
というような使われ方をします。

campaign(選挙運動)
「運動・勧誘」を意味する単語で、選挙に限らず様々な状況で使われる単語です。
選挙中は、様々な立候補者たちがcampaign を行います。
民主党、共和党ともに、a campaign to raise fund (資金集め運動)が、選挙の時期には何かと話題になります。

Democratic Party(民主党)
アメリカの国政の二大政党のうちの一つです。
共和党と比べ、リベラルな思想を持つ党員が集まることで知られます。
進歩的な考えを持ち、教育レベルの高い都市部の国民に、民主党支持者が多いと言われています。
歴史的な暗殺事件で有名な、ジョン・F・ケネディ第35代大統領や、ビル・クリントン大統領、バラク・オバマ大統領らが民主党の所属です。

Republican Party(共和党)
アメリカの国政の二大政党のうちの一つです。
党の特徴としては、保守的でキリスト教的価値観が強いことが見られます。
「奴隷解放宣言」で有名な、エイブラハム・リンカーン第16代大統領、ジョージ・W・ブッシュ元大統領、現在の大統領であるドナルド・トランプも共和党所属です。

endorse(~を支持する)
「(人の行動や意見を)支持する」という意味です。
ただ、支持率は approval rate と言い、endorsement rateではありません。

Federal Election Commission(連邦選挙委員会)
国の選挙資金法制の管理と執行を司る、アメリカの独立規制機関です。
大統領選挙では候補者の資金集めを監督し、選挙資金情報を一般に開示します。

大統領選の頻出単語は、日常英会話ではあまりなじみがないものばかり

米大統領選挙は、
① 各政党が大統領候補を選出する
② 民主、共和党の大統領候補同士が競う
③ 大統領決定
のプロセスで進みます。
大統領候補に立候補した人物は、予備選挙・党員集会、そして党大会を通し、自分の支持者(代議員)の獲得に力を注ぎます。
最も多くの支持者を獲得した人物が、党の大統領候補となります。

primary(予備選挙)
党大会(convention)に先立ち、民主・共和の両党がそれぞれ候補を絞りこむために各州で行う選挙のことです。
一般市民が各候補に投票し、得票率に併せて代議員が分配されます。

caucus(党員集会)
地区レベルで開かれる各党員の集会のことです。
「どの候補者を支持するか」を話し合うための集会であり、地区によっては予備選挙と同じ扱いの場合もあります。

Super Tuesday(スーパー・チューズデー)
大統領選挙がある年の2月または3月初旬の火曜日で、大統領選挙のための予備選もしくは党員集会が、最も多くの州で行われます。
2020年は3月3日(火)がSuper Tuesdayでした。

delegate(代議員)
delegate(一般代議員)とsuper delegate(特別代議員)にわかれ、delegateは事前に支持する候補者を表明したうえで、各州の予備選、党員集会での得票率に応じてそれぞれの候補者に分配されます。その後、delegateは党大会に出向き、支持を宣言した候補者に票を投じます。
一方、super delegateは自分の意思で投票者を決められるので、土壇場で票を投じる候補を変えることも可能です。
予備選挙の結果だけで各党の大統領候補が誰になるか分からないのは、このsuper delegateの存在があるからなのです。

Democratic National Convention(民主党党大会)とRepublican National Convention(共和党党大会)で、それぞれの党の大統領候補者が指名された後は、各党で大統領候補の指名を受けた二人の一騎打ちとなっていきます。
それぞれの戦いぶりは、アメリカの各メディアで報じられ、日本にいてもYouTubeなどで候補者同士の討論番組を視聴できます。

両党の最終候補者に最終投票が行われるのは、秋の一般投票です。
各州で有権者が民主党候補、共和党候補のどちらかに投票し、得票数の多かった候補者が州の選挙人を獲得するシステムです。
選挙人の獲得数が多かった候補者の方が、次期大統領となります。

presidential candidate(大統領候補者)
党大会によって各党から大統領候補に指名された党員。

electoral votes(選挙人選挙)
各州で有権者が指示する候補者に投票し、得票数が最も多かった候補者が各州の選挙人(electoral)を総取りするのは、アメリカ大統領選の独特なシステムです。
この点をしっかり理解している日本人は意外と少ないので、英会話スクールで語るとポイントが高いかもしれません。
選挙人は全州で570人で、その過半数を獲得した候補者が次期大統領になります。
つまり、A州で51%以上の得票を獲得した候補者は、A州の選挙人を全員自分のvote(票)にできるので、選挙人が多い州で候補者が勝てれば、全州の有権者の得票数にかかわらず大統領になることができるわけです。
ちなみに、全米で最も選挙人の割り当てが多いのは、カリフォルニア州で55人です。

Swing state(激戦州)
特定の党を支持していないので、選挙によってどちらの党に振れる(swing)か分からない州のことです。

Close to Call(接線)
民主党と共和党の候補者の得票数が五分五分の激戦状態のことです。

2020年アメリカ合衆国大統領選挙のスケジュールは
2月3日 アイオワ州党員集会(候補者選びの初戦)
2月11日 ニューハンプシャー州予備選
2月22日 ネバダ州党員集会
2月29日 サウスカロライナ州予備選
3月3日 スーパーチューズデー
3月〜6月 各州で予備選や党員集会が続く
7月13日〜16日 民主党全国大会(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
8月24日〜27日 共和党全国大会(ノースカロライナ州シャーロット)
9~10月 共和党と民主党の候補者によるテレビ討論会(通常3回)
11月3日 大統領選挙  一般有権者による投票・開票
2021年1月20日 大統領就任式
となっています。
実に長丁場ですね。

英会話スクールですぐに使える「アメリカ大統領選挙」に関する英語の例文

【例文1】
American politics are interesting to watch, especially during a presidential election.
(アメリカの政治は見ていて面白いです。大統領選挙の時がそうです)
キーワード:
a presidential election(大統領選挙)

【例文2】
American presidential elections are divided into two parts: the primaries and the general election.
(アメリカ合衆国大統領選挙は、予備選挙と一般投票の2つに分けられる)
キーワード:
American presidential elections(アメリカ合衆国大統領選挙)
the primaries(予備選挙)
the general election(一般投票)

【例文3】
I think everyone is focused on the potential impact the election results may have on the relationship between the US and Japan.
(みんな、選挙結果がアメリカと日本の関係に及ぼす影響を注視していると思います)
キーワード:
focused on~(~を注視する)
the election results(選挙結果)

【例文4】
It’s an election campaign that you can see difference between the wealthy people who do not want to change the status quo and the people who are desperate for the change.
(現在の体制で富を得ていて現状を変えたくない人達と、なんとしても変えたい人達の違いが分かる選挙戦です)
キーワード:
status quo(現状維持)
desperate for(~がほしくてたまらない)